私は老健で働いて4年目になります。
私が就職した時の年齢は51歳、これまでも病院経験、診療所経験、訪問診療経験、訪問看護、有料老人ホームの経験があります。
就職前の私が老健に持っていたイメージは、こんな感じです。
- 「病院からの退院後、在宅復帰に向けてリハビリを頑張る入所者さん」の支援をする施設
- 「在宅介護している家族さんが休憩できる時間を作る社会的入院」の役割をする施設
- 「特養入所の空き待ちをしている利用者さん」をお世話する施設
あなたの老健に対するイメージは、どんな感じでしょうか?
実際に働いてみて、イメージ通りの部分もあれば、思っていたのと違う部分もあって、
老健への転職を考えている看護師さんへ仕事内容の紹介と面接時のアドバイスをまとめました。
- 老健の看護師ってどんな仕事するの?
- 老健って、楽なの?忙しいの?何が大変?やりがいは?
- 面接が決まってるけど、何か確認することは?
- 看護師歴30年以上、現在介護老人保健施設に勤務して4年目
- パソコン不慣れな50代半ば
- Web知識も当然持っていません!
- 2022年9月からWordPressでブログにチャレンジ
- 韓国旅行で現実逃避することでストレス発散
老健の面接だから確認したほうがいいこと5つ
お給料、各種手当、勤務時間、年間休日、有休消化率などなど基本的なことはちろんですが、老健だから確認しておいた方がいいこと5つあります。
- 要介護度;老健は要介護1~5の方が入所できます。特養は要介護3以上。老健で要介護が高いということは、身体介護が高い可能性が大きいです。
- 一か月の入所者数平均;退所者さんの数だけ、入所者さんがいます。どの老健も、満床率にはこだわっています。経営に直結しますからね。退所者さんは聞きにくいので、入所者さんの人数を確認すると良いです。
- 救急搬送件数、緊急受診件数;体調の安定しない利用者さんが多いということがわかります。
- 在宅復帰を支援する機能(超強化型、強化型、加算型、基本型など);中でも超強化型は、入退所も多く、要介護度も高い、医療依存度も高いのが特徴です。
- 提携医療機関があるか;福祉法人設立の老健は要確認です。急変時、搬送病院探しから始めなければならない高齢者施設もあります。救急隊が探してくれることもありますが、本人・家族の希望で、地域の有名病院に運んでほしいとの希望があれば、それを尊重しなくてなならないこともあるからです。

では、実際の仕事内容を紹介します。
介護老人保健施設とは
(定義)介護老人保健施設とは、主としてその心身の機能の回復維持を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要であるものに対して、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。(介護保険法第8条第28項)
厚生労働省HP;参考資料より
在宅復帰、在宅療養支援をするための地域の拠点となる施設であり、
リハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う施設。

入所者の健康管理
バイタル測定、体調確認
体温測定は毎日しますが、血圧は入浴日(2回/週)のみ測定しています。病院のように毎日バイタルサインの測定をするわけではないです。
申し送りや勤務時間内の体調の変化を介護スタッフと共有していきます。
看護師の視点で気になる体調変化は、医師に報告します。
診察の補助、医師からの指示受け
病院のように24時間医師が常駐しているわけではないので、医師のいる時間に診察・指示をもらうことになります。
私の働いている老健では、定期回診はないので、看護師の観察力が重要です。
体調の変化は早めに報告します。

自分の観察力、判断力がやりがいにもつながる!
今までの経験を活かして積極的にアセスメントします。
医師の指示に基づく医療行為
強化型の指定要件でもあるので、医療行為も多いです。
- 喀痰吸引;窒息・誤嚥の急変時だけでなく、嚥下不良の利用者の口腔内点検を兼ねて毎日実施している人(12名/2フロア)
- 経管栄養;胃ろうボタン使用者(5~6名/2フロア)程度
- 褥瘡処置;使用できる薬剤がゲーベン、アクトシン程度に限られているため、デブリ等が必要時は受診していただくこともあります。
- バルンカテーテル管理;常時10名程度おられ、閉塞や自己抜去され夜間バルン挿入するケースなどもあり。
- インスリン注射、軟膏処置、点眼など
服薬管理・服薬介助
朝・昼・夕・眠前の配薬セットすることや、週に1回届く定期薬を個人配薬ボックスに仕分けします。
利用者の嚥下機能にあわせて粉砕にしたり、服薬拒否の利用者さんにはご飯に混ぜて提供することもあります。
嚥下機能低下されている利用者さんの誤嚥に注意を払い、必要なら看護師が食事介助します。
吸引器もすぐに使える状態なのか確認しておくことも大切です。
救急搬送
医師不在時(夜間・休日など)は、看護師の判断で、病院受診の調整をし、救急搬送します。
待てるような状態であれば、家族様の到着を待って、一緒に救急車に乗っていただきますが、時間の猶予がない時は、介護スタッフもしくは看護師が同乗します。
私の働く老健は、関係医療機関があるので、調整しやすいですが、時には満床、救急外来が混雑しており受け入れ不可の時もあり、救急隊に搬送先調整を依頼することもあります。



高齢者は状態の変化が急なので、気を使います。
延命処置を希望するご家族様も多いです。
看護記録/ケアプラン評価/看護サマリー
日々の体調変化の経過記録とは別に、ケアプラン評価が3か月にあり、他にも褥瘡予防計画書、栄養マネージメント評価などあります。
老健は、在宅復帰を目標とする施設なので、3か月ごとに復帰が可能かどうかの評価が必要で、そのための評価作業です。
利用者の退所先により、療養型などの病院系や他施設は看護サマリーが必要であったり、自宅やサービス付き高齢者住宅であれば退院時指導書が必要です。



介護分野でも、計画・評価は絶対必要です。
定期的にカンファレンスも行われます。


委員会活動もあります
感染対策委員会
新型コロナウイルスや、ノロウイルス、インフルエンザなどの対策と、他職種への指導などが求められます。
実際の感染対策を知識だけでなく、老健で働く誰もが行動実践できるような視覚に訴える工夫が必要です。
接遇改善委員会
利用者への接遇はもとより、スタッフ間の接遇、いわゆる風通しの良い職場つくりをすることで、高齢者虐待を防ぐ目的もあります。
多職種との連携
看護師の業務において、多職種との連携はとても重要です。
介護スタッフ
日常生活全般において、一番長い時間利用者に触れあっているスタッフです。
看護師より早く利用者の変化に気が付いてくれるので、その情報はとても大切です。
認知機能の低下なども、不穏対策としての服薬調整を医師に相談する、便秘・下痢の報告で緩下剤の調整をするなど、日々の細かい体調管理に役立ちます。



日常業務で一番頼りになる存在です。お互い信頼関係が築ければ、仕事もグッとしやすくなります。
クセ強めのスタッフさんもいるので、そこはうまく調整してね。
リハビリスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)
リハビリ中の血圧変化なども報告してくれますし、ADLの変化による安全対策・転倒予防対策をして、事故防止に役立ちます。
栄養科
管理委栄養士が中心となり、毎日の食事を提供してくれています。義歯調整や嚥下機能低下による食事形態の調整など、こちらからの情報提供が窒息予防につながります。
相談員・ケアマネジャー
老健において一番の調整役です。家族の意向、在宅復帰が可能であるか、家族の受け入れが可能であるか?また、体調不良時の家族連絡や日常の必要物品を家族に依頼してくれます。
ケアマネジャーが、ケアプランを作成し、各部署がそれに沿って看護・介護・リハビリ・食事の提供を行います。
夜勤業務
上記の健康管理業務に加え、2フロア3名の介護スタッフと1名の看護師で夜勤をしています。
看護師も排泄介助、夜の臥床・朝の離床対応などもあります。
認知症の方も多いので夜間不眠・不穏もあり転倒事故への対応、夜間吸引、朝の経管栄養、インスリン、採血などがあります。


体調変化時、翌朝まで待てる状態なのか、すぐに救急搬送した方がいいのか判断します。
判断に悩む場合は、看護長に報告の上家族と相談し、念のため受診していただきます。
緊急受診の際には、医師の診療情報提供書の代わりとなるような状態報告書を作成します。
緊急入院になることが多いので、看護サマリーも必要になります。


まとめ
老健へ就職を考えておられる看護師さんへ、面接時に確認しておいた方が良い点、5つ紹介しました。
- 要介護度;老健は要介護1~5の方が入所できます。特養は要介護3以上。老健で要介護が高いということは、身体介護が高い可能性が大きいです。
- 一か月の入所者数平均;退所者の数だけ、入所者がいます。どの老健も、満床率にはこだわっています。経営に直結しますからね。
- 救急搬送件数、緊急受診件数;体調の安定しない利用者が多いということがわかります。
- 在宅復帰を支援する機能(超強化型、強化型、加算型、基本型など);中でも超強化型は、入退所も多く、要介護度も高い、医療依存度も高いです。
- 提携医療機関があるか;福祉法人設立の老健は要確認です。急変時、搬送病院探しから始めなければならない高齢者施設もあります。救急隊が探してくれることもありますが、本人・家族の希望で、地域の有名病院に運んでほしいとの希望があれば、それを尊重しなくてなならないこともあるからです。



面接でこれだけの内容を確認するのは大変。転職サイトに登録して事前に情報収集しておくのがおススメです
就職活動、面接時に仕事内容について確認しておくことはとても重要です。
リハビリして在宅(自宅)に帰られる人は、強化型の老健ではほとんどなく、体調を崩して入院となるケースも多いです。
老健は、病院(療養型)に近い存在になっていますが、常に医師がいるわけではないので、状態変化に気づける経験も必要です。
やりがいは、ひとそれぞれです。
忙しいと感じるかどうかは、働いてみないとわからない部分もありますが、
私は、利用者さんの生き方・過ごし方から、自分や親の人生を考える場所・機会として、老健施設で働いています。


現状に疲れて逃げるように退職してしまう前に、情報収集はしっかりしておきましょう。
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電話が多くて負担に感じるなら、遠慮せずに担当者さんに伝えても大丈夫ですよ。
今は情報収集させてくださいとか、ゆっくり考える時間をくださいとかでOK。
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